朗読と音

あたらしい読書を
美しい朗読と、
素晴らしい音楽で。

私は、その三十歳の初夏、 はじめて本気に、文筆生活を
志願した。 思えば、晩い志願であった。 私は下宿の、
何一つ道具らしい物の無い四畳半の部屋で、 懸命に書いた。
下宿の夕飯がお櫃に残れば、 それでこっそり握りめしを
作って置いて 深夜の仕事の空腹に備えた。こんどは、
遺書として書くのではなかった。生きて行く為に、
書いたのだ。

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